2025年10月19日(日)午前10:00〜、新御茶ノ水・連合会館501会議室にて、
時習サロン「矯正歯科治療の現在と未来像について」
が開催されました。急速に秋の深まる日曜日、時習13回〜37回に亘り、
35名の同窓生が集まりました。
【講師紹介】

講師の菅沼與明先生(時35回)
菅沼 與明氏(すがぬま ともあき・時 35 回)
医療法人菅沼矯正歯科理事長・院長、東京歯科大学非常勤講師
豊橋歯科衛生士専門学校非常勤講師、中日本矯正歯科医会学術理事
1983年 時習館高校卒業、1990年 東京歯科大学卒業、
同大学大学院研究科入学、矯正歯科学専攻
1989年に父君・菅沼昭雄氏(時8回)が豊橋市八町通に設けた「菅沼歯科」の
矯正歯科患者を治療(大学での歯科矯正臨床と並行)。
昭雄氏没後の94年、矯正歯科専門の「菅沼矯正歯科」として
改めて開業。97年法人化。
【講演要旨】

講演会場の模様
なんと予期せぬ機器不具合のため講演開始が数十分遅延してしまうという
アクシデントが発生しましたが、会場の参加者有志のフォローも得て
応急策を案出し講演を開始、内容は矯正歯科治療の歴史・現況と、
参加者⇔講師の質疑応答という簡略化されたものになりました。
こういうことが起こり得るのも時習サロンならではの面白みだとおもわれました。
(幹事の皆さんは冷や汗モノだったでしょうが…)
詳細は『時習の灯』秋号掲載の報告記事に譲ります。
ここではその要点と講師・菅沼さんの印象的なお言葉をご紹介しておきます。
■ そもそも歯科矯正は…遠く紀元前から噛み合わせ、歯並びの異常に
ついて治療を試みていた人はいたと考えられる
■ ではあるが、機器を使用して不正な歯並びを修正しはじめたのは中世(14〜15世紀)で、
1920年代まではブラケットも金・白金などの高価な素材。矯正はブルジョアのためのものだった。
■ 映画『カサブランカ』(1942年)でリック(H.ボガート)がイルザ(I.バーグマン・撮影時27歳)に、
「10年前、君は何をしていた?」と聞き、イルザが「そうね、歯にブレース(Brace)を
つけていたわ」と答える場面がある。「ブレース」はワイヤー矯正の意。
このころには富裕層に矯正が普及していたことを示す一例。
■ 1920代に「近代歯科矯正学の父」アングル(Edward H. Angle, 1855-1930)が
不正咬合の「アングル分類」を提示(不正咬合の種類に応じた治療の提案)、
彼は20年代に矯正装置を次々に開発。
次第に矯正装置(ワイヤー、ブラケット)も進化する
■ 1970年代、技術革新が進む。
■ 日本では、1971年に東京医科歯科大・三浦不二夫教授が
「ダイレクト・ボンディング法」(歯科用接着剤で歯に直接ブラケットを装着)を開発。
・ワイヤーも硬いステンレスからニッケルチタン(形状記憶合金)へ
・ブラケットの素材もメタル→プラスチック→セラミックへ
・ストレートワイヤー法(あらかじめ曲げられたワイヤーを使用して、歯を動かす)の導入
・セファログラム(頭部X線規格写真)→頭蓋骨の側面と正面を同じ規格で撮影したX線写真。
顎の骨格・歯の位置を分析、治療計画に活用
■ 症例と治療例(ここでは省きます)
■ 歯を動かせばおしまいというわけではない。歯茎、骨、筋肉を安定させるため「補綴」を含めおよそ5年以上かける必要がある。
結論として、矯正歯科医としてめざすところは、良い歯並びが機能して、長く安定して続くようにすること。
■質疑応答…会場から講演内容についての質問
「子どもの矯正の場合、全部永久歯に生え変わってからのほうが良い?」「矯正治療の保険適用は?」「噛み合わせが『深くなる』とは?」「歯を横だけでなく前後に動かすには?」「子どもたちの噛み合わせについてどの時点(年齢)からチェックしていくべきか、また、国の財政的サポートはどうあるべきとお考えか?」をいただき、講師がその場で回答されました。
【懇親会】
お昼過ぎからは会場を移動して懇親会になりました。
講演会場近く、東京支部メンバーにはおなじみの重慶料理のお店
『東東包』(いつもお世話になっておりまーす)にて、
講師をかこみ、なごやかな雰囲気で秋の午後を過ごしました。

『東東包』での懇親会(写真加工済)
次回の時習サロンは、26年2月14日(土)開催予定です。
いつもの講義形式とは一味違い、新しいタイプの時習サロンが企画されています。
開けてびっくり。どうぞおたのしみに。
テーマ・会場等の詳細は、『時習の灯』秋号と
当ホームページに発表します。
しばらくお待ちください!
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