2024年2月17日(土)午前10:10〜、連合会館401会議室にて、
時習サロン
「子どもの貧困と学習サポート
〜始まりは東日本大震災〜」
が開催されました。早春の薄日がさす土曜日、
時習8回〜33回に亘り、ゲストを加えて33名が集まりました。
■ 講師紹介
朝倉 幹晴(時 33 回)
駿台予備学校生物科講師・船橋市議会議員
1981年 時習館高校卒業
(講師談:在学中の1979年夏〜秋の出来事、出会いからその後の生き方を決定する大きな影響をうけた)
1988年 東京大学農学部卒業
1989年〜駿台予備学校生物科講師
1999年〜船橋市議会議員(6期目、広報委員長)
■ 講演要旨
講演詳細は『時習の灯』春号掲載の報告記事に譲ります。
ここでは要点と講師・朝倉さんの印象的な発言をご紹介しておきます。
2011年、駿台予備学校講師(生物科)と船橋市議会議員の
いわば「二刀」をふるっていた朝倉さんのもとに寄せられた
一本の電話から、福島第一原発事故で在住地・船橋へ
避難してきた中学生の入試サポートに関わることに。
翌年からは職場のある飯田橋・市ヶ谷でもサポートを展開。
予備校生たちが小中学生を教えるという、
貧困(負)の連鎖に対抗する支援(正)の連鎖を試みました。
これをきっかけに、縁が縁を呼び、彼は以後12年間に亘り、
児童養護施設、母子生活支援施設、ひとり親・生活困窮者世帯、
外国籍生徒などの教育サポートを続けることになります。
格差や貧困が社会課題になって、もうかれこれ10年以上。
講演では、その各局面で出会った子どもたち、被災地や困窮世帯についての
リアルな状況についてもつぶさに紹介がありました。
その中でも、子どものやる気を刺激するため、人気コミックを
きっかけに使うという、筋金入りのコミック(アニメ)好きである
朝倉さんならではのメソッドに少しほっとさせられました。
また、朝倉さんは船橋市議会議員として行政面からの学習サポート強化を提言。
議会での活動報告書も会場で配布されました。
郷里・豊橋の「ルーテルみのり教会」(中部中近傍)での学習サポートも、
縁が縁を呼び、実を結んでいまも続けられているそうです。
今年1月の能登半島地震を受けて、被災した石川県の中学生向けにも
ネットを通じて情報発信を始めています。
「子ども食堂」での学習サポートも企画中、とのことです。
「善を行ふに勇なれ」というさる学者の金言がありますが、
揺るがぬ信念をもってこの終わりなきテーマに取り組み、
動き回る朝倉さんを、同窓として応援したいところです。
ひとつ、今回のサロンの注目点として、講師の語るところを
参加者がただ聴き取るばかりでなく、
「学習サポートを受けた・受けている人(若者)」をゲストに招き、
その生の声を聴くことができたというところがあります。
複数の視点から演題について参加者がより深く理解できました。
■ 懇親会
お昼過ぎからは会場を移動して懇親会になりました。
会場は、和食と蕎麦のお店『凪 ワテラス店』。
2時すぎまで、参加者一同白昼であることも忘れ、ディープに語り合いました。
次回の時習サロンは、10月5日(土)開催予定です。ぜひご参加を。
テーマ・講師・会場等の詳細は、『時習の灯』夏号と
当ホームページに発表します。
しばらくお待ちください!
(HP管理担当者より)