2019-10-19 UP!

(写真1)東北大学教授・村松淳司氏(29回生)

時習29回主催の時習サロンを1019日(土)11時から開催しました。台風1519号で各地に大きな被害が出た上にまた大雨が降り、欠席の方があるかもと前夜まで心配しました。今回は『未来の光 次世代放射光とナノテク開発』と題して東北大学教授・村松淳司氏(29回生)(写真1)がお話ししました。実はその2ヵ月前、29回生幹事諸氏が揃ってリハーサル講演を聴いたのですが「ナノ?何それ?何の役に立つの?」とわからないことばかり。やむを得ず「私立文系女子の私にわかるように」とダメ出しをして臨んだ当日だったのです。

(写真2)チンダル現象

ナノとは1㎜の1000分の1の更に1000分の1の超ミクロな世界。ナノ粒子の素材は皆さんお持ちのパソコンやスマートフォンの液晶ディスプレイに使われていて、最新の韓国製スマートフォンは折り畳んだり丸めたりできるそうです。(残念ながら近年韓国との仲が悪くて日本にはない!) このナノ粒子開発研究の最前線について、具体例を挙げて紹介してくれました。別府温泉海地獄の青さ、ビールを最高においしく飲むための泡の比率とその泡の作り方、人気の缶コーヒーはどんな粒子構造をしているか、ミルクじゃないのにコーヒーフレッシュの白さの怪、ウイスキー山崎25年の深い旨さの秘密、などなど・・・。彼が現在まで発展させてきた研究のきっかけとなったコロイド溶液とはどういうものか、コロイド溶液に緑色のレーザーポインターを当てると光の筋が見えること(チンダル現象という光の散乱だそうです)、さらに実際にいくつかの種類のお茶にレーザーポインターを当てて見え方が変わることを説明してくれたり・・・。(写真2)

(写真3)次世代放射光施設の計画図

このナノの世界を見るために1ナノメートル前後の波長をもつX線を高輝度で提供する“次世代放射光”が必要ナノだとか。世界最先端、そして世界最高性能で、太陽の10億倍の明るさをもつ『未来の光 次世代放射光』施設の建設が東北大学で始まっています(写真3)400億円近いビッグプロジェクトは2023年の利用開始を目指しているそうです。10億分の1の小さいものを見るのに400億円!話が大きいやら小さいやら(笑)大学の講義5回分を45分にぎゅっと凝縮して、中身が濃くお買い得な内容でした。

講演の終わりは恒例のクイズが行われ、本日の講演に関係あったりなかったりの10問でした。惜しくも9問正解の方がおられ、正解の多い方から順にお好きな賞品を選んでいただいたのですが、一番人気が“肥後焼酎 時習館” だったのは当然でしょう。これは熊本出張に行った浜松在住の29回生が買って送ってくれたものです。次に人気があったのは特製金トビ麺セットで、やっぱり地元愛があふれているなぁと感じました。

さて、講演の後は階下のイタリアンレストラン・パパミラノに場所を移し、スペシャルコースが用意された懇親会が始まりました。ここでも村松くんがテーブルの間を回ってビールやらワインやらウーロン茶やらにレーザーポインターを当てまくりコロイド談義で大盛り上がり。参加者から「わからなくても(自分なりにいろいろ思いを巡らして)楽しめるようになった」「わからないなりに楽しめた」などのコメントも次々に寄せられ、世代を越えて楽しい時間を過ごしました。今回の参加者は44名、最高齢は9回生の仲良し女性お二人でした。当日に地元から駆けつけてくれた同級生の応援と、先輩諸氏に「次回も来るね」と仰っていただけたのがとても嬉しかったです。初めて主催する時習サロンのためミーティングを重ね、それぞれが仕事で培ったノウハウを活かして無事第1回を終えました。卒業後25周年の頃とはまた違った、年齢と経験を重ねた顔が見られたように思います。

(29回生幹事一同)



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